オリックス川瀬堅斗が“アポなし”発表「学校帰りに『急に遊ぼう』みたいな感覚」
兄弟自主トレはまさかの「アポなし」だった。ソフトバンクの川瀬晃内野手が20日、みずほPayPayドーム内の球団事務所で契約更改を行い、1100万円増の年俸3800万円でサインした(金額は推定)。更改後の会見で今オフの自主トレに話題が及ぶと、川瀬が明かしたのは弟の予想外過ぎる行動だった。
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「大分県の国東市でオリックスの川瀬堅斗投手と一緒にやります」。そう口にした川瀬は、兄弟自主トレが実現した経緯を聞かれると苦笑いを浮かべた。「弟が契約更改の席で『兄の晃と自主トレをします』と言ったっていう記事を見て、僕は初めて知りました。事前になかったです、そんな話は」。
その記事を見たのは球団のゴルフコンペ中だったという川瀬。「ドライバーを打つ前に『すみません』と言って、電話しました」。会話の内容もどこかほほえましかった。「『兄ちゃん、一緒の自主トレしよう』とかもなかったので。『本当に俺とやるの? ほかのすごいピッチャーの人と一緒にしなくていいの?』って聞いたら、『兄ちゃんとする』って言ってたんで。そうなんだ、って感じでした」。川瀬が当時のやり取りを明かすと、報道陣は思わずニッコリと笑みを浮かべた。
当初は「1人で黙々と静かにやろうと思っていた」と話す川瀬。それでも、かわいい弟からの頼みは断れなかった。「これまでプロで3回対戦したんですけど、最初は『弟が投げてるわ』って、なんか変な感覚だったんですけど。2回目以降はちゃんと相手選手として打席に立てたので。本当にプロ野球選手としてみていたんですけど。自主トレの連絡が来た時に、弟が学校帰りに急に遊ぼうって言ってきたような感覚というか。昔を思い出した感じですね」と振り返った。
「なかなかいないですよね。僕に何も言わずに、契約更改で自主トレやりますって。僕じゃなかったらたぶんキレてますね。兄弟だからこそというか、兄ちゃんならいけるやろみたいな感覚だと思うので……」。兄らしく苦言を呈したうえで、「そういう時に兄弟だなと改めて感じましたし。でも、嬉しかったですよ」と思わず目じりを下げた。
来季から保護犬活動に対する寄付を始めることも発表した川瀬。自主トレ中には活動をPRするイベントも開催する予定だという。「国東って大分の中でも交通の便があまり良くないんですけど、色んな人に足を運んでもらえたら。そういったイベントもあるし、弟もいるので。今年は大いに公開していきます」としっかり報道陣にアピールした27歳。いろんな面で慈悲深さの見えた1日だった。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)